口頭での見積りについて
立ち会い見積りの際にあなたと解体業者とのやりとりで、
「だいたい、いくら位になるのでしょうか?」
「ざっとみて概算で○○円くらいですかね」
などというやり取りがよくあります。
このとき業者の言う金額を鵜呑みにしてはいけません。業者によっては、家の解体の金額だけを言い、付帯工事(塀、植木、庭石など)の撤去費用などが解体費用に含まれていない場合もあるので、確認が必要です。
また、他社の価格をすぐに聞いてくる業者にも要注意です。
お互いの話に行き違いのないようにするためにも、立ち会い詳細が記載された見積り書を提出してもらい、撤去範囲を明確にしておく事が大切です。
『解体工事一式○○万円』しか記載されていないものには要注意です。
また、見積りの際は出来るだけ立会いをして、解体業者さんと一緒に確認しながら進めることで、より正確な見積り金額を知ることができます。
地中障害物等の追加工事
地中障害物とは敷地の地中に埋没している、以前の建物の基礎や浄化槽等のことをいい、通常見積りには地中障害物は含まれていないので注意が必要です。
(見積り書には「地中障害物は別途」と記載されているのが一般的です。)
当然地中から何も出てこなければ追加費用はありません。
掘ってみなければわからない事ですので、地中から障害物が出てきた時は別途経費がかかることになります。
打ち合わせの際に、もし地中障害物が出てきて追加費用がかかるような場合は、地中障害物を撤去する前に業者さんから連絡して貰うか、デジカメなどで画像記録を残して貰うようにお願いしましょう。
通常、建物の基礎部分を解体する際に地面から30~50cm位は地中障害物がないか確認します。その為、より深い場所にある地中障害物については、解体工事時に確認できないことがあります。
そのため建替え工事の際に出てきてしまうことも稀にありますので注意が必要です。
また建替えの際、解体と建築を分けて発注(分離発注)することはコスト削減につながりますので、是非検討するべきだと思います。
面倒かも知れませんが、分離発注で費用が浮くことを思えば出来るはずです。
地中障害物の有無は工事を進めてみないとわからない!
対処方法は事前に確認しておこう!
工期について
例えば、一般的な木造2階建床面積30坪程度の場合、立地や天候にも左右されますが、おおよそ1~2週間はかかると考えた方が良いかと思います。内装材を丁寧に分別し、しっかりした解体をしていただくと、どうしてもそのくらいの期間はかかります。
金額が他社に比べてかなり安い業者には、予定工期を確認しましょう。又、工期があまりにも短い場合は、荒い工事、ミンチ解体、不法投棄などリスクも高いので気をつけましょう。
近隣の方々に対しての心遣いや、建替えのご予定などを考えると、早く終わらせて欲しいという気持ちにもなりますが、注意が必要です。
工期が短ければ良いとは限らない。
「安くて早い」には落とし穴も?
おおよその目安を知るのも大切!
許可証がない業者
建設リサイクル法により延床面積が80m2以上の建物は届け出業者しか解体工事を行えません。
解体業者の中には無許可の業者などが、とにかく安さだけを売りにしていたり、しっかりとした処理を行わないなど、皆さんが持つ業界のイメージを著しく低下させる原因を作っているのが現状です。
また、許可を取っている業者にも、建設リサイクル法に定められた義務を怠る場合もあるので注意が必要です。
業者を選定する際は、許可証やマニフェストの提出など、書類に関してもしっかりと事前に確認しましょう。
産業廃棄物収集運搬業許可書
産業廃棄物を排出事業者から委託を受けて収集し、処分場等へ搬入する場合は、それぞれ産業廃棄物収集運搬業の許可を受ける必要があります。
依頼した解体業者が廃棄物を持っていった先(中間処理場など)でしっかりした処分をせず不法投棄などをしてしまうと、(法的には)施主(あなた)まで罰せらることになります。
業者を選定する際は、許可証の確認など、書類に関してもしっかりと事前に確認しましょう。
業者の選定はしっかりと!
許可証やマニフェストの提出を求めよう。
近隣トラブル
解体工事において振動や音、ホコリをゼロにすることは不可能です。それでも、業者さんの施工方法や近隣への気遣いによって大きな差が出てきます。
もちろん、しっかりとした業者は事前に近隣挨拶をしてくれますが、施主さんも近隣の方々には常識的なご挨拶はしておきましょう。今後のご近所付き合いなどもあるので特に気を遣いながら挨拶の仕方を決めましょう。
また、立地や建物によっては近隣の建物にヒビが入った、などでトラブルになることもあります。最後に隣地との境界についてもトラブルになる事もあります。そ
の危険がある場合、必要であれば隣地の方に立ち会っていただき、測量することも考慮しなければならないこともあります。
騒音は避けられない! でも近隣へのご挨拶や気遣いのできる業者さんを選んでトラブルを回避しよう!
不法投棄
解体業者の中にはとにかく安さだけを前面に出し、工事のときに出た廃材を地中に埋めたり、産業廃棄物を不法投棄するなど、正式な処理を行わない業者もあります。(今現在も不法投棄で摘発される業者のニュースが後を絶ちません。)
「建物が無くなれば何でも良い」
「安ければ何でも良い」
ではなく、不法投棄は自然環境を損なうばかりでなく、あなた(解体発注者)自身も法的に罰せらます。
モラルを守り、細心の注意を払って不法投棄を行わない業者を選定しましょう。
マニフェストの確認やその他、処分の仕方など気になった事は細かく確認しましょう。
不法投棄は業者だけでなく、依頼した施主の責任も問われます!
業者の選定は念入りに行おう!
下請けに丸投げ
よく下請けの業者に工事を丸投げしてしまう業者があります。その際、下記の様なトラブルや、問題がよく発生します。
1. 直接、発注した業者に工事の注意点を伝えても下請け業者には伝わっていない
(もしくはその逆)。
2. 工事中に起きたトラブルなどの責任の所在が曖昧になる。
3. マニフェスト等の書類の確認がしづらい。
もちろん、下請け業者をしっかりと管理して仕事をする業者さんもありますが、その場合は特に契約前に工事内容を確認しましょう。
実際の作業は下請けの業者ということも! トラブルを避けるために、契約前に工事内容を確認しよう!
見積り書の見方
下にある<図1>は解体工事の良いお見積り書の一例です。工事内容の内訳と注釈(見積りに含まれていないモノに関して等)がしっかり記載されており数量も現場調査の際に実測したデータに基づいておりますので、
非常に分かりやすい丁寧な見積りとなっております。
<図1>(クリックで拡大します)
ただ、いくらちゃんとしたお見積りとは言っても、一社にだけ見積りを依頼して判断するのはあまりオススメできません。
解体工事は決して安い金額ではないですし、自分が解体を予定している建物の解体工事の適正な金額だって分からないはずです。
そこで合い見積りです。
ほとんどの業者は現場調査とお見積り依頼までは無料で行ってくれるので、遠慮せずにお見積りの依頼をしましょう。
そこで大事なことは、必ず同じ条件(解体内容と処分品など)で比較することです。
そしてお見積りをしっかり見比べましょう。よく聞く話で「お見積もりが安いからと依頼した後、追加料金を請求される」というトラブルなどにならないためにも業者とはできるだけ話をしましょう。
もちろん、安くするためにこちらもできる限りのことをするという姿勢を見せることも大切です。
悪いお見積りの見分け方は簡単です。なんでも「工事一式」でいくらといった大雑把なお見積りを出してきた業者は要注意です。
見積りは一社だけでなく数社に依頼して比較しよう!
大雑把な見積りには要注意!
見積りの目安
現場調査をせずに口頭で建物の種類や坪数を伝えただけで「だいたい○○円くらいになりますかね」といった口頭での料金提示を信用して業者を決めてしまい、実際契約に来てもらった際に言われた金額との差におどろいたという話を耳にします。
やはり、可能な限り現地調査をした上で出してもらったお見積りにはかなわないはずです。最近はグーグルマップなどもあるので、
口頭で出される見積りはあくまでも目安。現地調査してもらいきちんとした見積り書をもらおう!
何にどれだけかかるのか明確に記載された見積書をもらおう!
現場調査に立ち会うのも大切!